タイ・バンコクのスターバックス。感じる中進国化と消費社会。



タイには、スターバックスがかなりある。その数、100店舗以上。

バンコクだけでなく、地方にも見られる。

僕もよく、スターバックスへ行く。
それは、コンピューターを使うためのコンセントがあるというのも一つの理由だが、なんとなく落ち着くというのが一番の理由だろう。



スターバックスを巨大企業に押し上げたハワード・シュルツ『スターバックス成功物語』(日経BP社)によると、スターバックスに来る客は、コーヒーの味よりも、店の独特の雰囲気に惹かれてきているという。

スターバックスでは、ありふれた日常から脱却したロマンティックな空間で、自分へのご褒美的にちょっとした贅沢を味わえる。そこは、自分自身のことに集中して物事を考えることができるオアシスであり、人々に安心感を与えるのだ。そんな要素が、スターバックスの魅力なのだという。

これは確かにそうだ、と思う。スターバックスの空間に入って、コーヒーを片手にソファーにドカッと座ると、妙に落ち着く。家でコーヒーを飲むのとは、やはり違う。

しかも、言葉こそ交わしたことがないにしても、いつも顔を見かける人が店にいたりすると、「また来てるな、あの人」と、変な仲間意識を感じる。安心感か。

こんなわけで、僕はスターバックスによく行く。

しかし、値段はタイの物価からすると決して安くはない。大体カフェラテホットで約100バーツ(280円)くらい。その辺の食堂でご飯を食べると25-30バーツくらい。つまり、コーヒー1杯が、食事3食分くらいにあたるわけだ。

ということで、スターバックスでコーヒーを飲んでいる人は、身なりもそれなりで、ハイソな匂いがする。

そんななかに時折、中高生が混ざって、コーヒーを飲んでいることがある。

少し考えにくい光景だが、現在のタイ社会を感じる。

末廣昭氏がいうように、タイは現在、中進国化が進み、消費社会が到来している。タイは、経済ブームによる経済の急激な拡大と、重化学工業化、輸出構造の変化を経て、その後通貨危機を受けたにしても、消費経済自体は進展し続けているのだ。(末廣昭『タイ 中進国の模索』岩波新書・2009)

スターバックスの店舗数の増加や、そこに来る客に中高生が混ざっていたりすることは、こんなタイ社会を象徴しているのだ。

そんなことを思っていたら、雨が降ってきた。久しぶりの雨だ。

おばちゃんが、地面の水を外に排出していた。



タイにある格差を感じる。

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