犬とともに、夕焼けを。

学校から、いつもどおり自転車で帰宅する途中、パヤタイの駅近くの踏み切りにつかまった。

日本で踏み切りにつかまることは日常だが、バンコクではそうはない。けっこう、珍しいことだ。

車は大渋滞。敷き詰められた車の間に、バイクが所狭しと入り込んでいる。皆、身動きできず、踏切が開くのを待っていた。

そして僕も、ご他聞にもれることなく、バイクとバイクに挟まれながら、踏切が開くのを待った。


ふと路上を見ると、黒い犬がお座りをして、僕を見ていた(気がする)。

かわいいな、と思い笑顔を送った。実は、僕は犬が好きなのだ。

しかし、犬は僕に対してなんのリアクションも起こさなかった。(なんだこの坊主?)とでも思ったのだろうか。



そんなこんなで、踏み切りが開いた。

待ちわびた、といわんばかりに、車やバイクが走り出す。無論、僕もそれに続く。

おもちゃがいっせいに動き出したようで、滑稽だ。


ふと気づくと、黒犬も僕の横を走りだしている。僕が彼を追い抜いても、ずっと後をついて来る。ちょっと半笑いだ。

なんとかわいらしい、と思いながら進み、踏み切り上に差し掛かると、そこでの夕日に目が奪われ、急ブレーキを踏んだ。(実際は、ブレーキが利かないから、足で止めた)



いやはや、美しい。

なんて思いながら、ボーと見ていると、あの黒犬も同じようなことを感じたのか、僕の横でじっと、夕日を見つめている。彼も、走りを中断して、夕日に見入ったようだ。



うーん。なかなか、情緒の分かる犬だ。

しかも彼は場所を変えて、いいアングルを探している。



すごい犬だ!

しばし、二人で夕日を見つめたのであった。



近所の身近な場所で、時折見せる違った表情が、僕は好きだ。

そして、犬も。


応援のほど、よろしくお願いいたします
人気ブログランキングへ

4 件のコメント:

  1. すみませーん。
    前回のお話のところに犬のコメントしてしまいました。
    おっちょこちょいで、本当にごめんなさい。

    返信削除
  2. コメント、ありがとうございます。
    どこに書いていただいても特に問題ないので、大丈夫ですよ。笑
    これからも、よろしくお願いします。

    返信削除
  3. Ryotaさん、はじめまして。

    いつも楽しみに拝見させていただいています。

    僕も先月、タイに行きましてエアポート・リンクを使った時、
    パヤタイ駅を通りましたので、今回の話はなんとなく情景が想像できて面白かったです。

    そういえば、エアポート・リンクのパヤタイ駅からBTSに乗り換えるとき、エレベーターで1Fへ降りると、目の前に犬が寝ていて、その時だけかと思ったら、1週間後の帰りの時にもまたパヤタイ駅に行ったら、まったく同じ状況だったのには笑いました(その時は起きていましたが)。

    もしかしたら、まだ同じ場所にいたりして。

    来月はルアンパパーンに行かれるそうですね。
    その時の話も楽しみしています。

    返信削除
  4. Kapi Rajaさん。
    コメント、ありがとうございます。
    僕からのコメントを、Kapi Rajaさんのブログ ”タイ式エンタテイメントの楽しみ方”に記載させていただきました。
    そこでも書きましたが、Kapi Rajaさんのブログ、とても面白いですね。僕の知らないことばかりで、非常に興味深く拝見しました。
    これからも、どうぞ、よろしくお願いいたします。 

    返信削除