「誰だ?若曽根?・・・知らんなぁ。そんな奴いたか・・・ハッハッハ」
「いや、もういいから。それは。」
「いや、もういいから。それは。」
「ハッハッハ。まぁしかし、どうだ?タイの方は・・・・」
高校の恩師に電話をすると、決まってこんな感じのやり取りから会話が始まった。
酔っぱらったときのノリで電話をかけちゃうこともあったが、そんな僕にもつきあって話を聞いてくれた。
よく家にも遊びに行ったもんだ。
先生は非常に読書家だった。
もともと英語教師のくせに、民俗学や歴史学なんかも詳しく、多方面にわたって興味関心を持っている人だった。
二階にある本の重みがやばいといつも言ってた。
「じゃあ、つぶれる前にいらない本ちょうだいよ」
いつも僕は言った。
「お前にだけはやるもんか。やらんぞ。ガッハッハ・・・」
って、なぜか爆笑していたもんだ。
しかもその二階すら見せてくれなかった。
いい本は自分で探し出せって。
いつもふざけた態をとりながらも、実は鋭い先生。
そんな先生の一周忌が昨日だったようだ。
そんな先生の一周忌が昨日だったようだ。
飲み会でべろべろに酔っぱらっての帰り道、先生の一周忌であることを友人のFB情報で知った。
とぼとぼ歩きながら、先生と久々に会いたくなる。
「あぁ、先生に電話してえなぁ」
口から自然とこぼれ落ちた帰り道。
電話したら、またいつものように明るい先生が出るような気がしてならない。
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